CASE STUDY

NECネッツエスアイ株式会社

コミュニケーションを一歩先に推進 自社実践の社風を活かし、バーチャルオフィスを活用した新たな働き方に挑戦

NECネッツエスアイ DXビジネス推進本部の多田氏・田中氏・増田氏
  • コミュニケーションに強いシステムインテグレーターならではのパートナー選び
  • バーチャル空間に「自分たちのオフィスらしさ」を表現
  • バーチャルオフィスを「特別」から「日常」へ

新型コロナウイルスの感染拡大を経て、世の中のワークスタイルは大きな変化を遂げました。出社が当たり前だった従来の働き方から、オフィス以外の場所からオンライン上でやり取りをするテレワーク・リモートワークという働き方が一般的になりつつあります。一方で、このような働き方が浸透するに伴い、「コミュニケーションやマネジメントの質の低下」「企業への帰属意識の低下」など、新たな課題も顕在化し始めています。

上記の課題を解決すべく、リアルとバーチャルを融合したバーチャルオフィスを活用した新たな働き方の確立に挑戦しているのがNECネッツエスアイ株式会社です。同社は働き方改革の分野において、2007年よりEmpoweredOffice(エンパワードオフィス)分散型ワークなどの先進的な取り組みを自社実践し、顧客に提案してきました。今回はNECネッツエスアイ DXビジネス推進本部の多田 裕司氏・田中 涼子氏・増田 健人氏に、バーチャルオフィス事業を検討したきっかけや事業構想についてお話を伺いました。
※緊急事態宣言中のため、同社のサテライトオフィス「日本橋イノベーションベース」のバーチャルオフィスにて取材を行いました

コミュニケーションに強いシステムインテグレーターならではのパートナー選び

バーチャルオフィス内の会議室でのインタビューの様子バーチャルオフィス内の会議室でのインタビューの様子

はじめに、貴社の事業概要について教えてください。

多田氏:当社は1953年に日本電気株式会社(NEC)より分離独立し、日本電気工事株式会社として設立以来、通信・コミュニケーションに強いシステムインテグレーターとして事業を展開してきました。具体的には、リアルオフィスの空間設計やICTの導入支援などです。昨今はクラウドツールの導入支援も積極的に行い、Web会議サービス「Zoom」の国内最初の代理店としてお客様にご提案しておりました。

一般的なシステムインテグレーターのようにサーバーや社内ネットワーク構築のみならず、空間設計やICT導入支援といった領域まで提案しているのはどういう背景があるのでしょうか?

田中氏:エンタープライズ向けの場合、オフィスの通信工事や電気工事など空間づくりに関わる支援が多く、それに付随してトータル的に空間設計やICT導入支援を提案していくようになったのがきっかけです。

そういう背景があったのですね。近年コロナ禍によりテレワークは当たり前になりつつありますが、なぜこのタイミングでまだ世の中に浸透していないVRを活用した事業を検討したのでしょうか?

増田氏:コロナは事業検討が加速した要因ではありますが、実はコロナ前から検討自体は進めていました。先述の通りもともと会社としてコミュニケーション領域には強い関心があり、コロナ前からテレワークや分散型ワークなどを自社でいち早く取り入れていた中で、「コミュニケーションの希薄化」や「社員の状態(プレゼンス)管理」などの課題が浮き彫りになったんです。そのタイミングでコロナが発生し、“リアルは無くならないけど、バーチャルに一部が置き換わる可能性”が一気に広がった。そこで、「明日のコミュニケーションをデザインする」を自社実践している会社として、これから来るであろうVRを活用したバーチャルオフィス事業を進めることとなりました。

コロナ前からテレワークにおける課題を感じていたからこそ、このタイミングでバーチャルオフィスの検討を推し進めることになったのですね!事業を進める中で、Synamonをパートナーとして選んでいただいた理由はどういったものでしょうか?

増田氏:VRの会社を色々ベンチマークしていたのですが、コンシューマー向けや医療系など業界特化の会社が多い印象でした。弊社としては、ビジネスユース(会議やトレーニング)での展開を視野に入れていたため、“日常業務にフィットできるか”が重要な要素でした。そういったなか、Synamonはエンタープライズ領域に注力しており国内の大手企業の導入実績もあることから、ともにシナジーを創り出せると感じ、繋がりのある会社からご紹介いただきました。

田中氏:サービス面においては、「UIが使いやすいか」「セキュリティ面が万全であるか」の2点が主な選定基準でしたね。UIにおいては、実際に使う社員が直感的に使えるかどうかを意識していました。NEUTRANSは操作性が高く、最初の段階からストレスなく使用できたので、メンバーからも好評でした。

多田氏:セキュリティ面は、特に重要視していました。システムインテグレーターとして弊社がいくら危機管理を行っていても、使用する外部サービスはコントロールできないため、慎重に選定する必要があったんです。その点、NEUTRANSは国内企業による運営で大企業の導入事例もあり、セキュリティの面でも安心できました。上記の観点で絞っていくと、パートナーはSynamon一択でした。

バーチャル空間に「自分たちのオフィスらしさ」を表現

弊社としても選んでいただき、非常にありがたい限りです!最初の取り組みとして、こちらの日本橋イノベーションベースをバーチャル化しましたが、この空間に関する感想や手応えなどあれば、お伺いできますでしょうか?

増田氏:感想としては、初めて体験したときの没入感がずっと続いている印象です。思ってた以上に臨場感があって、実際に出社している気分になりますね。リアルな空間をバーチャルにすることで会社に帰属していることを感じたり、働くモチベーションが上がるといった効果が得られるように思います。

田中氏:実際に弊社でバーチャルオフィスとして活用する中で、ある部下から「Zoomより身近に感じました。リモートで話しかけにくかったのが解消されました」と言われて嬉しい反面ショックでした(笑)

没入感については本当にその通りですね、我々も実際に訪問した気分になっています。今回、細部までこだわって空間を再現しましたが、御社として特に気に入ってる部分はありますか?

多田氏:受付から見える3面ディスプレイは非常に気に入っています。ここは日本橋拠点の象徴的なスペースであり、社員が自社のオフィスとして意識する重要なシンボルです。これらをバーチャル上に再現することで、この空間にオフィスらしさが出ていると感じています。

受付から見える3面ディスプレイ
受付から見える3面ディスプレイ

田中氏:他には、ロッカーもお気に入りですね。実際に開くわけではないし、バーチャル空間では機能しませんが、オフィスを再現するにあたっては非常に重要なアイテムなんです。というのも、実際のサテライトオフィスを創る時、フリーアドレスを活かすため、据え置きのキャビネットなどは設置せず、ロッカーに自分の荷物を収納することに決めたんです。そうしたら、自然と「持ち物はこのロッカーに収められるように、みんな荷物を出来る限り少なくしよう」というルールが生まれたりして…。そんな思い出もあり、このロッカーは社員にとってオフィスらしさを感じる大事な要素なんです。実際に使わないにしても、置いておくことが空間たらしめる要素であり、創っていただいて非常に良かったと感じています。

オフィスらしさを感じるシンボルのロッカー
オフィスらしさを感じるシンボルのロッカー

バーチャルオフィスを「特別」から「日常」へ

機能面としてではなく、オフィスらしさを感じるためのアイテムというのは非常に興味深いですね。今後、バーチャルオフィス事業を展開するうえで、社内外でどのようにVRを活用していきたいですか?

田中氏:これからはVRを特別な目的ではなく、日常使いとして使えるようにしていきたいですね。そのために、「共創」に必要な4つの要素を実現したいです。

「共創」に必要な4つの要素
「共創」に必要な4つの要素

多田氏:現状、Zoom・電話・メールなどコミュニケーションが分散していますが、バーチャルで統合することでデジタルシフトしていきたいと考えています。将来的には、すべての社員とすべてのツールをこの場所に集めて、バーチャル空間の中で完結する未来を創っていきたいですね。集まる場所としてはもちろんのこと、普段利用しているコミュニケーションツールと連携し分析することで、「偶然の出会い(セレンディピティ)」を仕組むことができるのではないかと考えています。

偶然の出会いを意図的に仕組むことができれば、共創社会が実現できそうですね…!今後取り組みを進める中で、NEUTRANSに期待することや改善点など、率直にお聞かせください。

増田氏:私個人としてこの空間が非常に好きですが、まだまだ日常業務を効率化出来る環境ではないので、バーチャル空間での作業機能を増やしていきたいです。そうすることで、バーチャルオフィスに入る意義が増えていき、目指している共創オフィスに近づけると考えています。

多田氏:お客様への支援という観点では、事業パートナーとしてバーチャルならではの空間をお客様へ提案していきたいですね。オフィスというのは特にカスタマイズ要素が多く、お客様の要望が様々なので、リアルオフィスにも遜色ない機能に加えて、バーチャルオフィスだからこその付加価値を一緒に提供していきたいです。

田中氏:他には今後オンプレミスの自治体への支援を視野に入れて、セキュリティ面や安定性を一緒に強化していき、求められるセキュリティや仕様に応えられるようにしたいです。国が動いてこそ社会全体が動いていくと思うので、バーチャルオフィスを社会に広めるためにも、まずは足元のインフラを固めていきたいです。

貴重なご意見ありがとうございます!ぜひご一緒にバーチャルオフィスが当たり前の世界を実現していきましょう!多田さん、田中さん、増田さん、ありがとうございました!

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